必要な英語力は「読む・聞く」力に加えて「書く・話す」力

2017年5月16日のNHKのニュースウオッチ9で放送されたニュースがNHKのWebにもありました。(リンク切れの場合はご了承ください)

「大学入学共通テスト」最終案まとまる 記述式も

最終案における英語の試験に関するところだけに注目して書いていきます。

新たなテストは「大学入学共通テスト」という名称になる予定で、従来のマークシート方式に加えて記述式の問題が導入されるほか、英語の試験は行わず英検など民間の検定試験を活用する方針です。

名称は関心がないのでどうでもいいですが、2つ重要な変更点が書かれています。

まず1つ目に重要な変更点は記述式の問題が追加されるということ。これまでセンター試験で記述式はなくすべてマークシート方式だったはずです(「はず」というのは私が受けたのは20年位前ですが、それ以来ずっとマークシート方式だからです)。マークシート方式というのは選択肢があるので、自信のある解答が出せない時にいわゆる「まぐれ」で塗りつぶしたマークが正解だと言う可能性があります。まぁ確率的には低いですがゼロではないです。ちなみに4択の問題が20問あった場合、デタラメに選んで「まぐれ」で全問正解する確率は(1/4)^5=1/1024=0.0009765625。つまり1,000人くらいの受験生のうち1人の受験生はデタラメに選んで「まぐれ」で20問全問正解するということです。

引用:志願者数・受験者数等の推移 大学入試センター

直近5年間の受験者数を見てみると50万人は超えています。すべての受験生がデタラメに回答するとは思えないので、仮に1%の受験生がデタラメに日本史Bの問題を解答したとします。2017年の日本史Bの試験問題を細かく見ていませんので自身を持って言えませんが、全36問の選択肢が全て5個ずつだとして「デタラメ」「まぐれ」全問正解者が出る確率は(1/5)^36=1/14551915228366851806640625というわけで1人もいませんね。昨年度の約53万人全受験生が日本史Bを「デタラメ」解答しても「まぐれ」で全問正解は確率的にないですね。以上よりマークシート方式でも「デタラメ」にやって「まぐれ」合格の可能性は極めて低いということが分かります。ではなぜ記述式が検討されているのか。

英語のテストでは、実践的なコミュニケーション力を身につけさせるため、これまでの「読む・聞く」力に加えて「書く・話す」力も測定します。このため大学入試センターの試験は廃止し、英検やTOEFLなどの文部科学省が認定した民間の検定試験を活用するとしています。受験生はこれらの検定試験を高校3年になると2回まで受験でき、その結果は大学入試センターに送付されます。そして、大学入試センターは受験生が志望する大学の求めに応じて、結果を伝えるということです。一方で、英語のテストは大幅な変更となるため、文部科学省は共通テストを始めてから4年間は検定試験に加えて、今の試験を続けることも検討しています。

冒頭部分でも書いたとおり英語の試験に注目します。記述式が検討されているのは従来試されていた「読む・聞く」力だけではなく「書く・話す」力も測定するという点にあるようです。TOEICのテストは「読む・聞く」を測るTOEIC Listening&Reading(L&R)と「話す・書く」を測るTOEIC Speaking&Writing(S&W)とに分かれています。思うに大学入試センターはこのTOEICの2つのテストを総合したようなテストを「大学入学共通テスト」としたいと思っているのではないでしょうか。目標は良いと思いますが世界中で認められているTOEICでさえ2つに分かれているのに果たして日本の大学入試テストでそれが行えるのでしょうか。この点に関しては「頑張ってください」としか言いようがない状態です。

1つ目が長くなりましたが2つ目に重要な変更点は英検など民間の検定試験を活用する点です。NHKの記事に書いてあるだけでも民間の検定試験は「英検」「TOEFL」があり、広く知られている「TOEIC」も含めると3つの試験があります。受験生にとって公平公正に「大学入学共通テスト」の判断材料にするためには民間の検定試験の「どれか一つ」に統一すべきではないでしょうか。私見ではTOEICのL&RとS&Wの2つの試験を活用すべきです。大学入試センターとしては癪に障ると思われますが「大学入学共通テスト」が目指すところはTOEICで測れる「読む・聞く」「書く・話す」の総合力です。その総合力が公平公正に測れるのはTOEICの2種の試験(L&RとS&W)しか思いつきません。他の検定試験で総合的な能力が公平公正に判断できるとはどうしても思えないからです。と思いましたが少し調べてみるとTOEFL iBTというテストも良さそうに思えてきました。私は1997年に大学で英語クラス分けのために受けましたが、その当時と今とでは良い意味で随分変わっているようです。スピーキングやライティングについてもそれらの能力を測定できそうです。飽くまでもネットで調べた印象で語っているだけですが…。

文科相「学力を多面的・総合的に評価」

松野文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、「共通テストにおける記述式の導入や、英語の『読む・聞く・書く・話す』の4つの力の評価などによって、生徒の学力を多面的・総合的に評価する入試に転換したい」と述べました。そのうえで、松野大臣は、英語のテストに民間の検定試験を活用することに関連して、「家庭の経済状況や居住地に関係なく、同じ受検の機会を得られることが重要であり、受験料の値下げや全都道府県での試験の実施をお願いしていきたい」と述べました。
英語の「読む・聞く・書く・話す」力は海外旅行に行ったり海外からの旅行客と接した経験のある人であれば非常に重要な4つの能力だと思う人が多いと思います。特に「聞く・話す」能力がある程度あれば英語が通じる国では生活はもちろん生き残る事ができると思います。特に私はこの「聞く・話す」能力が低いので、「聞く」に関してはTOEICの公式問題集で、「話す」に関しては瞬間英作文トレーニングで鍛えている最中です。
(松野大臣が発言した「家庭の経済状況や居住地に関係なく、同じ受験の機会を得られることが重要」に関しては別の機会に記事を書きたいと思っています。)

専門家 変化や影響を見極めて慎重に議論を

文部科学省がまとめた新たなテストの最終案について、有識者会議の委員を務めた東京大学高大接続研究開発センター長の南風原朝和教授は、入試改革の必要性については認めたうえで、「今後は、たくさんある課題を一つ一つクリアする必要がある」と指摘しています。

特に、英語で民間の検定試験を活用することについては、「複数の民間の試験を認定して、どれを受けてもよいというのは、測定の観点でもどうやって比較するのか確立されておらず乱暴な議論だと思う」と述べています。そのうえで、「期限を決めて性急に実施方針を決めるのではなく、現場にどんな変化や影響があるのかをじっくりと見極めて慎重に議論するべきだ」としています。

 英語の民間の検定試験の活用における問題に関しては上述の通りTOEICのL&RとS&Wの2つに統一するかTOEFL iBTに統一するかどちらかに統一した方がいいと思います。複数の民間の試験を認定するのは公平公正ではないと思うからです。この点で南風原教授に賛成です。また現場への変化や影響を見極め無ければらならいない点には賛成ですが、最低限の期限を決めないと議論さえ行われない恐れがあると思います。もう「読む・書く」力だけが求められている状況ではないと誰でも気づいているはずです。知識のある人々が集まって早急に議論を行い実施方針を決めるべきです。平成33年度1月から実施では遅すぎるとさえ思います。

最後に

私みたいにある程度英語の読み書きができても聞いたり話したりすることが苦手な若い学生をこれ以上増やしたくありません。ドラマや映画も音楽も英語そのままで理解できたらもっと楽しいと思います。また海外旅行でもより一層楽しめるはずだと思います。もちろんビジネスでも特に外資系企業では重要です。とにかくできるだけ早くせめて議論だけでも始めるべきだと思います。